「DJソルト爆発しろ」に関する一考察

twitterを利用しているとたまに面白い現象に遭遇する。
そのひとつが、「まいんTL(タイムライン)」だ。

平日17時40分から放送されるNHK教育の番組、
『クッキングアイドル アイ!マイ!まいん!』という番組をご存知だろうか。


柊まいん『キッチンはマイステージ』


 『クッキングアイドル アイ!マイ!まいん!』とは1991年〜2006年放送の『ひとりでできるもん!』、2006年〜2009年放送『味楽る!ミミカ』に続く「子供向け料理番組」としての位置づけにあるNHK製作作品だ。
 作中では主人公の柊まいん(福原遥・11歳)が毎回工夫を凝らした料理を楽しく作り、たまに料理に関連した歌を歌ったり踊ったりしながら番組を進行する。
 柊まいん演じる福原遥の整った容姿と抜群の演技力、11歳とは思えない高い歌唱力から、番組CDが9/29付オリコンデイリーチャートで初登場10位を記録するなど社会現象とも言える好評を博している。


 番組CDを買いまくってオリコン10位にしたのは、いわゆる「大きなお友達」である。
 その一定数いる大きなお友達が、『アイ!マイ!まいん!』を見ながら、「まいんちゃんは俺の嫁」「まいんちゃんの包丁で××されたい」「まいんちゃんの××を×××」「ふぅ・・・」などといった欲望を発言しまくるため、彼らをフォローするtwitterユーザーのタイムラインは「まいんちゃん」関連の乱れた発言ですっかり埋まってしまうのである。これがいわゆる「まいんTL」という現象の概要だ。


 さてここからが本題である。

 「まいんTL」において必ず見られるのが「DJソルト爆発しろ」という発言だ。
 「DJソルト」とはお笑いコンビどーよ・テルが演じる司会進行役の男である。主にスタジオ内のDJブースに座り、まいんの発言に合いの手を入れたり、時間経過の報告やまいんの歌の紹介などを行う。
 また彼は、時にまいんと肩を並べて視聴者からのおたより紹介コーナーを行うのだが、これが、大きなお友達にとって「大問題」なのである。


 大きなお友達にとってまいんという存在は聖域である。汚れた成人男性が触れてはならぬ美しい存在なのである。また彼らにとってまいんは生涯絶対に触れられない存在であるため、進行役という立場を利用してたやすくまいんに近づくDJソルトに対して、殺意にも似た感情を抱いてしまうのだ。
 twitterは公共の場である。殺意をそのまま表現しては犯行予告となってしまう。だから彼らは、DJソルトがまいんに近づいた際には必ず、「DJソルト爆発しろ」という言葉を用いる。自分自身が手を下すわけにいかないから、DJソルトに天罰が下ることをただただ祈るのである。

 また彼らは「死ね」という言葉は決して使わない。まいんに近づいたからにはただキレイに死んではいけない、木っ端微塵になるべきだという持論がそこに展開されている。
 とはいえDJソルトが番組中突然爆発するなんてことはありえず、当然ながらこれはシュールなネタとして受け取られる。発言者は、欲望をシュールなネタとして、また大げさに発言することで、ロリコンである自らを、やや自嘲気味に非難しているのである。
 かくして様々な思いがこめられた形で「DJソルト爆発しろ」が今日もタイムラインを埋めるのであった。

 日本は今日ものーてんきで美しい。