あしたのあしたはあさってだ

 「おしりのことを考えて一日中タチっぱなしだったよ」と話すや否や彼女はおれの尻をめがけて鋭いキックを繰り出した。おれはぎゃあと叫んで飛び跳ねた。激痛のあまり目から火花を吹き出した。ひいひい言いながら自分の尻をさすりいたわる間抜けな姿。おれは臀部に吹き出物を作っていた。俗にいうと、おしりのほっぺにオデキを作っていたのである。オデキを蹴られて痛さのあまり、七転八倒してしまった。

 このオデキ、あまり痛くて、おれはここ数日、まともに座ることすらできていない。
 つまり冒頭の文章をより親切に書けば「おしり(の吹き出物)のことを(これ以上悪化させてはならないと)考えて一日中(座ることが困難であるため)タチっぱなしだった」ということであって、他意などない。ありえませんっ。何をどう勘違いしたんでしょうか。まったく意味が分かりませんね。というかキミ、顔を真っ赤にしてどうしたんですか?どう勘違いしたの?言ってみて御覧?ん?ん?ん?このあたりでまた、彼女の鋭いキックが飛んできた。おれはぎゃあと叫んで飛び跳ねた。ひいひい言いながら自分の尻をさすりいたわる間抜けな姿。
 ここまで含めて全部がプレイの内容です。アブ・ノーマルですね。

 内容のないような文章を書いてしまった。
 尻が痛すぎるということを以下つらつらと書いていく。おれの尻の話などに興味のない人はこれ以上読まないほうがよろしい。目を汚すだけである。おれの尻に興味のある人はもっと読まない方がよろしい。怖いので近寄らないでください。「興味はないけど死ぬほど暇だから同情して読んでやるか」という人だけ以下読んでいってください。
 
 尻が痛すぎるという話。
 オデキを中心に半径3センチに渡って皮膚が硬直してしまった。鏡を見るとぷくりと真っ赤に腫れていた。体中の神経がその半径3センチに集中しているかの様で、ちょっと何かが触れただけでも冷や汗が吹き出て顔を歪めるほどに痛い。まして体重をかけることなど以ての外である。片尻で座ってようやくようやくデスクワークをしている。痛いばかりか、ここ1、2日は熱が出てきた。患部が熱くなるといった話ではない。体温が上がって目眩がする。どう考えてもこれは医者に行かなければいけない症状である。
 Googleで「臀部 腫れ 病院」と検索した。「手術が必要です!」だの「麻酔が効かないのでそのまま切られます!」だの「えぐられます!」だのと恐ろしい言葉が連なって出てきた。おれは怖くなって布団に潜った。(もちろんうつぶせで)
 布団の中で、おれはおしりについて考えている。
 親が子に対して説教するときの象徴として、スパンキングがある。尻に対する平手打ち。確かに頭や顔やを叩く姿よりもはるかに平和的で家庭的なイメージがある。事実「おしりたたき」「おしりぺんぺん」といったチャーミングな表現が社会に浸透している。「おしりたたき」は唯一、一般的に認められた体罰としてその地位を確立していると言えよう。幼少期のそうした経験が元になっているのかどうか知らないが、性的指向のひとつとしてスパンキングで興奮する人間までいる。「スパンキングビデオ」というアダルトビデオのジャンルまであるらしい。本当に馬鹿だと思う。てめーらいちどでも尻を腫らしたことがあるのかよ!本当に痛い思いしたことあんのかよ!もっとお尻をいたわれよ!!と怒鳴り散らしたい気分である。


 おしりかじり虫。

 
 ちなみにこうした腫れは年に1度くらい発症しており、ほったらかしにしていたら4、5日で勝手に腫れが引いていった、というのがこれまでの経験である。今回も例には漏れないと思われる。事実、楽になってきている。ただ、根本があればそれを解決しないといけないなとも思っている。例えばオデキの芯みたいなものがもし仮に存在するのであれば、それは取り除いたほうがよろしかろう。体重が掛かったとき七転八倒するほどに痛いこんな持病を抱えているのでは、真のイケメンになれるはずがない。おしりの手術かあ。痛いのはやだなあ。医者の前でおしり出すの恥ずかしいなあ。等等々ぼやいていると先輩に「女の前では喜んで出してるくせになーに言ってんだ」と指摘された。なるほどその通りですね。
 病院に行く決心をしたのであった。

 とまあ、この文章は面白いやろうなあコメントがわんさか付くやろうなあと心弾ませながら投稿したお尻に関する2000字弱の考察について書いてみて考え返すことにはこの文章をまともに読む人はほとんどおらんのじゃないかということでありその理由は反応らしい反応がまったくなかろうことを予期できてしまうことに他ならずコメントがつかないのはいつものことだからそれはまあいいとしてこの読まない方がよろしいとかいう文句の所為で皆呆れ果て本当にだれも読まないんじゃなかろうかとか話題が話題だけに皆ドン引きしてしまうんじゃなかろうかとか友達が減って今後おれは将来に渡ってだれからも構ってもらえず寂しく死んでいくんじゃなかろうかこんな文章書くんじゃなかったわあわあわあと後悔ばかりしてしまうのですっ。うっ。はあっ。はあっ。気持ちが強すぎて強すぎて思わず句読点なしで書いてしまったっ。句読点がないと息も吐けないわ息も吸えないわで、だいぶ、読みにくく、なってしまいますね。ただ、おれは、あまりに多い、句読点が、大、大、大嫌いなのです。干し葡萄と、同じくらい、嫌いです。クチャラーと、同じくらい、嫌いです。バンド内恋愛と、同じくらい、嫌いです。すべての、文章には、リズム感がないと、ダメだと、思うのです。読点は、なくても、いいと、思っているくらいです。とりわけ、読点を、こういった形で、やたらと、多様したがる人が、身近にいるんですが、まあこれが、読みにくいったら、ありゃしない。いずれにしても、やりすぎは、よく、ありませんね。

 また内容のないような文章を書いてしまった。

 「やりすぎはよくない」といったことを会社への批判をもとに具体的に書きたかったのですが、いかんせん具体的に書くと方々から大変な説教が飛んでくるような内容なので、とりあえずまずは普遍化して、さらに抽象化して、そのうえメタ要素なんかを取り入れながら書いたところ、かのような文章になってしまった、というわけです。会社への批判を書くことは大変な勇気がいりますね。おれにはそんな勇気などありません。ツイッターなんかで会社批判している人には頭も上がりません。恐れ入ります。それに比べておれはウイスキイを茶碗で飲んで、和洋折衷や和洋折衷やと喚きながら「おれはまだまだ常識には捕われていないぞ!社会に毒されてなんか、いないぞ!」と自分を慰めて、おわり。情けない姿です。ああっ。わあっ。こんな文章を書いてしまってっ。大学の頃の文章力は何処に行ったのでしょう。ああ。ウイスキイがおいしいよお。とろおん。くそっ。とろおんだとっ。この馬鹿がっ。馬鹿がっ。師に褒められたあの頃の文章を思い出せっ。文章のテンポの良さ。歯切れの良さ。初文インパクト。削ることが即ち推敲。くそっ。くそっ。

 話を変えます。北海道に行きたいのですがお金がない。
 北海道に対する焦がれは今に始まったことじゃなく最終兵器彼女で始まったことでももちろんなく、暑くないとか変な虫がいないとか白い恋人が好きだからとかそんな安っぽい理由でもない。始まりはテレビドラマの『みにくいアヒルの子』であり松山千春の『君を忘れない』であり『大空と大地の中で』です。あのドラマで見たものそれは広い心と一途な想い。強い人になりたいんです明日のために一歩踏み出したいんですその勇気を得る為に広い大地に立ちたいんですとアホのようにありきたりな定型文を思わず重ねてしまうほど魅力ある土地こそが北海道だと思っているんです。ああっ。また読点を忘れてしまったっ。読点を忘れるほどせっかちな人間になってしまったっ。くそっ。くそっ。やっぱり広い心が必要です。おれには広い大地が必要なのです。なんとか工面して行きましょう北海道。

 それはそうと最近マジでSKEに熱中しています。
 以前にも書きましたが( http://d.hatena.ne.jp/kazumas/20111103/1320331434 )、須田亜香里ちゃんがマジで死ぬほど好きで、ブログやらまとめサイトやら雑誌やらで彼女をチェックしていくうちに、そこから派生してSKEメンバーの名前と顔とがほつほつ一致するようになってきました。うまい商売だね。そんな中で次シングルとして発表された『アイシテラブル!』は本当に凄い!凄いと思った!ケチの付けようのない名曲ですね!!曲の疾走感やら、造語の面白さ(アイシテル+アイラブユー=アイシテラブル)やら、前向きな歌詞、そして何よりもMVに映るメンバーのフレッシュな笑顔!元気!!個々の魅力にまで言及していたら寝る時間が無くなるのでやめておきますがとにかくこの曲は後世に残すべき名曲と言って過言ではないでしょうね!!ああ素晴らしきかなアイシテラブル!素晴らしきかなSKE!!!素晴らしきかな名古屋!!!つうことでゴールデンウィークは名古屋に行きましょう!!!つうかぼく名古屋に永住するよ!!!!ふわあああああああん!!ひゃああわああああああああんんん!!んんん!!んんんんんんんんまなつうぅぅうぅうううぅううううう!!!11!!1!!!!!!

 まあそんなことはさておき、授業中にテロリストが教室へ乗り込んできて、ヒロイン(好きな娘)を人質にとり、主人公であるおれが知性と腕力と時に勇気をもってテロリストを華麗に撃退し、ヒロインはおれに惚れる。この想像は、自分だけのオリジナル・ストーリィだと思っていたのだけれども、そんなことは全くなく、それなりの数の人間が似たような妄想をしていたことを知ってしまった今となっては、おれの想像力はなんて人並みでつまらないのやろかと自分を蔑むばかりで、あらゆるクリエイティブな活動が、一向に捗りません。幼い頃から積極的に本でも読むべきだったと反省しても時既に遅く、それであれば同じ失敗はさせまいと息子やら娘やらに「本を読みなさい」と促してみるのですが、返される言葉は「嫌だ嫌だ!」。歴史は繰り返すばかりです。子どもに対しては放任主義が一番よろしい。親の勤めは興味を促すこと、持った興味をサポートしてあげること、サポートする為の経済力を持つこと。そうです。おれはまさに再来月生まれるおれの娘の為に会社の歯車となって働きましょう。

 と、いうことで皆さんには黙っていましたが、結婚することになりました。というか結婚してました。全国10000000000000000000億人のファンクラブ会員のみなさん黙っててすみません。できちゃった婚ってやつですね。あらあら。まあまあ。
 結婚式をする予定もないので、この場を借りて、借りるも何もおれの日記だから構うことはないのですが、とにかくこの日記で、嫁さんとの馴れ初めを書こうと思います。彼女は高校の頃の同級生でした。英語の授業中でした。いきなりガラガラと教室のドアが開き、な、な、な、なんと、鉄砲を持ったテロリストが現れたのです!そしてさらに、なんとまあ、よりによって、今の嫁さんを、人質に、とったのです!「目的はなんだ!」と先生が叫びました。テロリストは鉄砲を先生に向けて「あの世で教えてやるよ」とトリガーを引こうとした瞬間、僕はテロリストにタックルし、手首をひねり上げ、お縄にしてやったのです!10分後に来たおまわりさんは用なしでした。嫁さんは「ありがとうかずまくん大好きよちゅ」とほっぺにキスしてくれました。「いろおとこめー」「このこのー」教室は拍手喝采です!ああああああああああああっ。ああんっ。ひゃんっ。またやっ。またこんなありふれた妄想をしてしまったっ。こんな駄文を読むために時間割いてもらってすみませんっ。

 話は変わって、ゴールデンウィークのことを書きます。
 北海道はすでにどうでもよろしい。実家に戻りました。車で帰りました。片道8時間です!

    神奈川→東京→埼玉→群馬→長野→新潟→富山→石川

 なんと8都県を縦横断してしまいました。埼玉が鬼門でしたね。車が進まないのなんの。圏央道から関越自動車道に入るタイミングは度肝を抜かれました。ずらーっと6車線くらいが全部車で埋め尽くされているんですもの。本当にどいつもこいつもでしたね。車の中ではずっと天才てれびくんの音楽メドレーを聴いていました。懐かしいのなんのですね。


 ちなみにこの曲は番組コーナー内ユニット「モンキークイーン」の最後の曲です。てれび戦士を卒業したジャスミンアレンと佐久間信子がゲストのような形で出てきたすんごい映像なんですよ。どうでもよろしいひとにはどうでもよろしいのでしょうが、共感できる方は感嘆を漏らすほど共感できましょう。懐かしいなあ。

 そんなこんなで地元に戻っていました。父親と母親と、お酒を飲みながら、あーでもないこーでもないとたくさん喋ってきました。楽しかったなあ。
 ばあちゃんにも会ってきました。「結婚はまだかい」
 ばあちゃんごめん。上に書いたのは真っ赤な嘘です。。。。。。。。
 なるべくはやく相手を見つけます。テロリストに頼らないで見つけます。


 おわり